ノラネコの呑んで観るシネマ

ストレイ・ドッグのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ストレイ・ドッグ(2018年製作の映画)
4.0
南カリフォルニアの鮮烈な太陽の下、ニコール・キッドマンの刑事がどんどんぶっ壊れてゆく。
17年前の潜入捜査で心に深い傷を負った彼女の元に、逃亡中の主犯からメッセージが届く。
過去の罪にケジメをつけるため、主人公は法律そっちのけの単独捜査に突き進む。
劇盤が凄くカッコいい。
超ハードなノワールだが、キッドマンのやさぐれっぷりが凄い。
彼女は過去からやって来た事件に囚われ、これを解決しないうちは何も出来なくなってしまう。
一体、17年前に何があったのか、彼女がこれほど拘る動機とは。
映画は、主人公だけが知る秘密に向かい、現在と過去を行き来しながら展開する。
若き日、飛べると思っていたけど飛べなかった。
母でもある主人公の不幸な子供時代の記憶が、巡り巡って運命を狂わせるのが切ない。
主犯がなぜ今更メッセージを送って来たのか謎なんだが、「おっ」と思わせる作劇の仕掛けも面白かった。
大熱演のキッドマンは新境地。
シャーリーズ・セロンがやりたがりそうな役だな。