ひば

シックスヘッド・ジョーズのひばのレビュー・感想・評価

シックスヘッド・ジョーズ(2018年製作の映画)
4.0
映画をCGの出来だけで判断していないか。おもしろ鮫映画を切り捨てていないか。何故こんなにおもしろ鮫映画があるのか、それは鮫が人類の過度の期待を背負っているからだ。鮫なら幽霊にもなるだろう。鮫なら陸も泳いでいるだろう。鮫なら竜巻にもなるだろう。鮫なら体がタコにもなるだろう。鮫なら核爆発も起こすだろう。面白くない鮫なんていないんだ。限界なんてないんだ。なんだってできるんだ。そう鮫ならね。はい、そういうわけで本作は頭が6つになりました。まぁあるだろ、鮫なら。
まず設定。冷却状態にあるカップルの為のセラピーキャンプですって~~~おもろい!100点!そしていきなり他の人間に目移りする人間たち!浅はか~~~~これが鮫との"違い"ってやつ。はっきりわかるね。浅はかだから「人間は頂点捕食者だ」とか言っちゃう!軽薄~~~~鮫映画のなにが素晴らしいって啓蒙思想を取り込んでるところですね。理性的に考えれば鮫はいつだって強いし正しいのだ。
ここが他と違うよおもしろ鮫映画!みんな真面目~~~~!!悲壮感がすごい。死体を見て頭がおかしくなる人も死体を見て吐く人もいる!鮫が寄るから水中に吐くなって注意してくれるぞ!あと音楽が壮大。アサライム社のプロたちによる結晶感がすごい。こうなったのもお前のせい!訴えてやる!と司法を認知し最後まで法で戦う心意気を見せてくるので、「俺は生きてても刑務所行きだ」というおもしろ鮫を許容した上でおもしろ鮫という価値観の敗北を意味した台詞も飛び出すぞ!100点!!
おもしろ鮫映画に欠かせないのはやはり台詞。本作もおもしろ鮫に負けないインパクトを発揮してくるぞ!これはわたしが好きな台詞たち!
「殺生は嫌いだがやつは死ぬべき」…おもしろ鮫映画で好きで殺すわけじゃないんだというシンプルな言い訳
「1つの魂1つの心臓が自然の摂理」…なんかその勢いに納得してしまう
「奴の頭は6つ、私たちは8つ、頭脳で勝てる」…賢い!!!!!!!!!!!
カップルセラピー設定はなんとか生かされているので(他は死んだ)「結婚はただの概念だ、意味はないだろ?」「自分が望めば意味はある」という泣かせるじゃんっていうやりとりも好きです。100点!!!
もちろんおもしろ鮫自身も負けていない!もうこっちの予想を遥かに上回ってくる能力を見せつけてくれるので、それは自分の目で確かめてほしい。おもしろくなきゃこんなクソ長い感想なんてあげない。なんか特性生かしたのか知らんけど手裏剣みたいに泳いでるシーンあって笑うしそれが伏線だったのでおもしろ鮫映画は筋書きもきちんと書けるのだ!100点!!!!
そして一番の驚きを見せつけたのがエンドロール…短い!!!!????ハリウッドに慣れてるせいかエンドロールがあまりに短すぎる、人名を映すのが早いんじゃなくて人名があまりに少なすぎる…この映画、少数精鋭のプロフェッショナルで構成されていたという驚愕の事実を受け止め敬意を払いここに刻むことにしました。そういうわけで400点の映画です。満足。


嵐の活動休止が発表されてもう生きててもなんもいいことないし生きてる意味なんかねえと寝っ転がりながらしばらくスマホの電源つけたり消したりしてたけど今日シックスヘッドジョーズのレビュー書くってわたしと約束したので書いた。えらいね。過ぎたけど。生きてる限りおもしろ映画を摂取できるぞ。おもしろいものはいつだって側にある。人生なんて長い暇つぶしなんだからおもろいものに向かって生きるべきだし、きっと嵐もそれが一番いい。こんな非情な人生で人の営みを全うするみんな!えらい!おもしろいものが皆を見つけてくれますように。
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