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ホワイト・クロウ 伝説のダンサーのmeraのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

バレエ鑑賞好きとしては、ちゃんとバレエダンサーが踊っているシーンがたくさんあったので、楽しかった。

ポルーニンも少ないけど踊って、目立っていました。やっぱり華がありますねー。ベッドに寝ているだけの姿も美しかったです。

同性愛の匂わせが、わかりやすくあちこちにありましたが、ハッキリ描かれたのは先生の妻との行為のみ。なぜ同性愛描写はなかったんだろう? あそこまで匂わせるなら、ちゃんと描いてもよかったのでは。

パンフでもぼかされているみたいだけれど、ドンとほぼ同じ時期にAIDSで亡くなっているし、それも彼を構成する大きなアイデンティティだったと思うのですが。

ヌレエフの性格のとんがり具合はかなりすごくて、若さのせいだと言う理由ではカバーできないほど。天才だということですよね。バレエのためなら、絵も見るし本も読むし、なんでもするけれど、能力がバレエに全振りされているので、コミュニケーションなどにはまったくリソースが割かれていない。常識なんて通じない。

天才だから世界に喜びを与えるけれど、近いところにいる人たちは苦難を強いられる。光が強いほど影は濃い。


そんなことを、身近にいる天才に近い才能ある人たちを思い出しながら考えた映画でした。
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