TIFF2018にて
48グループの決まりとして「選抜と非選抜に分ける」ことは必須であり、そこに生じる心境の変化をインタビュー形式で描く。
BNK48、または48グループをよく知らない人にもわかるような「紹介編」の要素もあるが、1期生メンバー全員に満遍なくスポットを当てている点はいい。AKB48の映画がほぼメインメンバーしかフィーチャーしないことに比べれば、格段に意味がある。
映画だからなのかもしれないが、非選抜メンバーが妙に前向き過ぎることが気になった。カメラがないところでたぶん泣いているのだとは思うが、あまりにもメンタルを上向きに保ち過ぎると、その後バランスが取れなくならないだろうかと。既に2期生が1期生を脅かす存在として入ってきており、競争は激化していくしかないので、しっかりケアができていればいいのだが。
キャプテンのチャープランは、他のメンバーと比べても明らかに明晰で、キャプテンたる素質があるのはわかる。多くを期待され、前に出る機会が多い彼女にしかわからない苦しさも見えた気がする。
同じ志を持ちつつも、友達では決してない、あくまでもライバルとしてしか互いを見れないことは、たぶん不幸なことでもある。これからも続くであろう不幸を克服して、夢を叶え幸せが得られるかどうかはわからない。見えない先に向かって進むのがお約束だとしても、わかっている側としては見ていてつらい。個人が幸せである場所をグループに見つけられるか否か。見つけてほしいと思うばかりだが、続編ありきであればしっかりとその後を見せてくれることを願います。