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プロメアのbutasuのレビュー・感想・評価

プロメア(2019年製作の映画)
1.5
映像は本当にすごい。派手な色彩でグルグル動くカメラワークは、観ていて何かPVを見ているような気分になる。ただ、これが楽しいのは5分くらい。あまりに派手でグルグルの一辺倒なので集中力が切れてくるとどんどん飽きてくるし、何より非常に疲れる。しかも掴みの意図があるのはわかるのだが、冒頭からいきなりこのド派手アクションを延々と見せられるのでこちらのテンションが全然ついていけない。

あと主人公を含むキャラクターにまるで魅力を感じられなかったのもきつかった。松山ケンイチや堺雅人などはかなりの好演を見せていたが、そもそもキャラクター自体の描き込みが浅すぎる。主人公はよくいるテンプレおバカ熱血野郎だし、ライバルはよくいるクールキャラで、敵もよくいる良い人の皮をかぶった権力者。それ以外もやたら登場人物が多いが、全然活躍できていたようには思えない。

あと澤野弘之の音楽自体は良いのだが、映画のテンションにまるで合っていないと思った。派手な色彩にシリアスなボーカル曲って。この映像ならもっと突き抜けてポップな音楽にするべきでは。

まぁでも話自体がどうこうというよりも、最初の映像で疲れ切ってしまったのが大きかったかもしれない。ああいうのはここぞというシーンだけ短く見せてほしいなぁ。全体的に、映画向きじゃない感じ。TVシリーズにすれば良かったのに。
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