ryota

君は月夜に光り輝くのryotaのネタバレレビュー・内容・結末

君は月夜に光り輝く(2019年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

驚くほど「君の膵臓を食べたい」のテイストに似ている作品でした。監督が一緒だから仕方ないにしても、静かに真面目に真摯に進む、とてもピュアなお話です。そんなドラマに触れるのも、たまにはいいかもです。

発光病なる架空の、ドラマチックとも言える難病に犯されているヒロイン(!)の死をゴールに話が進むわけですが、本当にストレートに、ピュアに健気で明るくも切ない生き方だけを追いかける、そんな映画でした。むしろ好感持てますね、これくらいやってくれると。ヒロインは難病で病院から出られず、たまたまお見舞いの色紙を持っていくことになった彼と出会い、彼に彼女が死ぬまでにやりたかったことを代行させるということで、まあなんて王道ラブストーリーなんだろうと逆にびっくり。しかも急展開もなく淡々と静かに話が進んでいくわけです。離婚した両親とか、彼のお姉さんがどうやら自殺したらしく(事故ってことになってる)精神をちょっと病んでる母親とか、ちょっと訳ありの人たちがいるものの、ほぼほぼ中軸には絡まず時々入ってくるくらいのもので、基本的には若い二人のお話(っていう話もなくて、代行することによって楽しませたり、一緒に月を見たり、そんなんです)わなけです。普通ならもういいやってなるところですが、若き永野芽郁(今ではコメディもこなす実力派女優)と北村匠海のピュアすぎるお芝居に、おじさんはほっこりしてしまい、最後まで眺めていることができました。大袈裟に亡くなるでもなく、静かに人生を終えて、自分を代行して生きていって欲しいと、ボイスメッセージを残すなんて、まあうまい!って言ってしまいたくなるような素敵な終わり方でございました。

こういう映画もあっていいと思いつつも、まあなんていうか、無難な感じは否めません。製作委員会の方々の意見を全部まとめて、誰からもクレームや批判が出ないような作りになっているのがちょっと透けて見えてしまうくらい、ちゃんとした映画です。主演の二人の成熟前の感じが見れるようなちょっと不思議な感覚があることは間違いないかな。ちなみに、メイド役の今田美桜がめちゃくちゃ可愛いのと、松本穂香の病んでる女子高生が印象深いです。
ryota

ryota