ガーコ

君は月夜に光り輝くのガーコのレビュー・感想・評価

君は月夜に光り輝く(2019年製作の映画)
3.0
「私は私でよかった」

そう言えたら、病気だけの人生も少しは報われる気がします。

この映画は、不治の病で死ぬ運命にある、少女と少年の愛の物語。

発光病で死を目前にした主人公のまみずは、楽しみなんて一つもなくて、ただ自分が死んで行く時間を静かに待つばかり…。

そんな、絶望的な人生に光を当ててくれたのが、クラスメイトのタクヤくん。

自分の代わりに、自身のやりたかったことを沢山こなしてくれる姿はパシリそのものだけど、その優しさが彼女に生きる喜びを芽生えさせてくれるところが魅力!


ただ正直な話、恋愛映画が苦手な私としては少々辛かった…。

『君の膵臓をたべたい』の時ような、期待を裏切られる展開もなく、ひたすら2人の愛を確かめ合いながら死を待つという悲しい結末…。

もう少し、予想外な結末があるものと、期待していただけに結構呆気なく終わってしまったのが残念。

女子高校生の純粋な気持ちを揺さぶるには、すごく魅力的な作品なのだろうけれど、この歳で見るのは根気がいりました…(笑)



そして、原作を読んでいただけに、物足りない部分を感じてしまったのも事実。

原作は、姉の自殺にも焦点を当てていたり、友人の香山くんとのやり取りがもっと濃厚に描かれているのですが、その部分が無かったのが悲しい。

姉の自殺から、自分も死ぬことを望むようになる少年の姿や、生きることに全く希望を持てずにフラフラと夜の散歩を繰り返す放浪的な姿など、もっと死に側に近い部分が描かれていたのに、それが無かったなぁ…。

自ら死を望んでいたからこそ、必死に生きようとする彼女との関わりが深くなっていくのに、これはその部分が物足りないのがもったいない。

そして、松本穂香ちゃんがちょっとしか出ていなかったのが残念過ぎでした…。

でも、小説の中のちょっと違和感のあった描写が、綺麗に整理されていたのはさすが監督といったところ。

結果的に、良い部分も悪い部分も感じてしまった、なんだか全てが中途半端な作品となりました。



でも、今大ブレイク中の永野芽郁ちゃんと、北村匠海くんのコラボが楽しめたのは大満足!

もっと若い頃に観たなら、感動したと心から言えたのかもしれませんね(笑)
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