takanoひねもすのたり

デーモン・インサイドのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

デーモン・インサイド(2018年製作の映画)
3.5
レズビアン同士のバイオレンス映画。

同性カップル、ジャッキーとジュールズは結婚一周年のお祝いに週末旅行でジャッキーの持つ山荘へ。
2人きりを楽しもうとうきうき…が、幼馴染のサラが訪ねてきたことを切っ掛けにじわじわ違和感が増して行きます。
そして突然の「うぉりゃーーーーー!どーーーん!」で正体を表すジャッキー。

パッケージに血塗れ斧を持ち、うふふと笑顔のジャッキーが使われてるので、観る前から予想が付いてしまうんですが、そう彼女はサイコパス。

保険金目当ての殺人を繰り返してきたシリアルキラー。今回のターゲットはジュールズで、円満カップルが一転して追う追われるの攻防戦と心理戦になります。

女性vs女性なのでパワーバランスはどっこいどっこい、但しサイコなジャッキーには狩りスキルと土地勘有りなのが有利。
しばらくは逃げ延びたジュールズですが、ほどなくジャッキーに捕まってしまいます。

とはいえジュールズのタフネス振りが凄いです。
足首骨折しているのに走り、脱臼は自分で嵌め直し、裂傷は自分で縫う(実はもと医者)

そしてジャッキーのオンオフの切替の表情が良く正しく顔芸でした。ハッタリの効かせ方、ドスの効いた声、まさに本性見たり…これではジュールズの混乱振りも分かるわ…こんなに豹変されたら現実認識が鈍くなっても仕方ない。

ボートでの追いかけっこはちょっと笑った。
「来ないでーーーー」ギコギコ
「話をしましょう」ギコギコ

最後はお互い女の意地を見せたる!な一騎打ちになります。
結末には…すげぇ…という賛辞を送りたい。

サイコパスとなった理由が生まれつきと一刀両断してますが、そうなるとラストの熊は不要でしょう。熊が絶命するまで眺めていた幼少時のその体験が何らかの根になったのではないかと個人的には思います。

2人の攻防に、ちょっと中弛みがありますが、概ねサスペンスフルな内容。
楽しめました。