Kana

運び屋のKanaのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
2.0
家族のために稼ぎ、働くために家族を蔑ろにしたのに、その仕事を失った男は、人生最期の1ページに何を残すのか。
結局人生なんて全て過程に過ぎなくて、大事なのは最期の瞬間誰の顔が見たいかってことなのかなぁ。
許すとか許さないとかじゃなく、ただ一緒にいたいという気持ちだけ。
何度も約束を破り、信頼を裏切り、失望させられ、それでも信じたいという気持ちを捨て切れないのは、その人を選んだ自分の人生が間違ってないと信じたいからなのかもしれない。
それは愛情じゃなくて、執着やエゴに近いのかもしれないけれど、何にしたって終わり良ければすべて良しと言いますか…。
でもね、そんなこと言っちゃったら今を一生懸命生きることがバカバカしくなるから、これが正解とは思いたくないな。

外では周りを楽しませてくれる陽気でフランクないい人が、家族にとってそうとは限らないのはよくわかります。
愛されるのにお金持ちになる必要はなかった。
時間は買えないのだから。
いつも居場所がわかるなら、それでいい。
なんて…ほんとにこれで良かったのかなぁ。
なんかよくわからないけれど。
人生って、よくわからない。

そしてこの映画がそんなに評価されるのも、よくわからない。
退役軍人が仕事に打ち込み家族と溝を深め…というのはアメリカンあるあるなのかもしれませんが、結局最後まで家族のための償いはほとんどしていないように思えて。
犯罪者の親戚なんて家族の汚点でしかないし、お金のために犯罪に手を出すなんて最低だと思うけれど…それでいいのか?
仕事をしていても、仕事がなくなっても、家族に爪弾きにされても、麻薬を運んでも、捕まっても、なんだか楽しそうなおじいちゃんだなぁとは思いますが、めちゃめちゃ空気読まないよね?
自分勝手にも程がある。
周りに合わせる気ゼロ。
いや本当に、これをハッピーエンドみたいにしちゃだめでしょう…。
Kana

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