これは、ドラックディーラーの映画というより、夫婦の映画かなと思いました。
確かに、お金で時間は買えないし、家族との時間は大切だと思う。
「何より大切なものは家族だ」という人生の最終段階になって気付く。
金よりも、名誉よりも。
わかる気はする。
が、夫の今までの功績が何もないかのように「時間を割いてくれなかった夫が悪い」みたいな妻の価値観。
確かに娘の結婚式に行かないとかはかなり極端やと思いますが、、
愛するが故に憎む、妻の苦しみも分からなくはないが、有能な夫ならその恩恵に預かれた部分もあったろうに。
そこは、もう苛立ちでしかなくなりますか、、?
何故、折り合いをつけれないのだろう?
勿論、夫、妻両方に言える事だが。
結局、最終的に、夫が大金を稼いできて、なんとなく家族が上手く行きました。
それやったら、妻も「金より時間」というなら、金は受け取らないで欲しかったな。
それでいて「会いに来てくれた、それが嬉しいのよ」なら、
妻の言い分にも筋が通る。むしろカッコいい。
金は受け取るのに、今まで割かない時間は怒ってるわ、旦那の立つ瀬がないわ、旦那ひたすら謝ってるわでは、
仕事を頑張りたい男が、結婚したくなくなるのも理解出来ます。
極論ですが、世の中の男は「家庭が1番、仕事が2番」みたいな価値観でないと幸せになれないと言われてるような。
もっと多様な価値観の家庭を描いて欲しいし、そういったストーリーのオチも見てみたいと思いました。
今の現代社会での幸福の未来図は、多様な価値観、あり方でも幸せになれるという絵を示す事かなと思います。
この映画のオチでは、男性側の生き方は捻じ曲げられ、古典的な価値観の家庭像に幸せの形を当て嵌められているように感じます。
もっと幸せの形を男女共、自由に作ってもいいんだというメッセージがあれば良かったなと思いました。
まあ、それをこの映画に求める事は、求めすぎなのかもしれませんが、、、
裏社会映画としては、まあいわゆる普通の展開、家族の悩みとしても、まああり得そうな多くの人が抱えてそうな悩みのストーリーでした。
お爺ちゃんの運び屋という視点は新しいと思いました。