Mariko

薬の神じゃない!のMarikoのレビュー・感想・評価

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)
4.2
タイトルとジャケからはそんなに期待していなかったけれど、いろんな方が口々に「おもしろい!」とレビューしていたので鑑賞…したところ、納得のおもしろさ!中国映画ほとんど観たことないのだけど、このエネルギーは凄い。

実話をベースに物凄く脚色されているらしいけれど、実際にあった深刻な社会問題(これがそんなに遠い昔ではないのも驚き!)を扱ってここまでエンタテインメントに仕立て上げたのはお見事。

ムロツヨシ(皆さんそうおっしゃってる笑)みたいな風貌のダメ男を、最初はどうなのよと思っているのが、彼の心情と行動の変化に引っ張られてどんどん応援したくなってしまうテンポの良いストーリー運びには唸るしかなく、最後はストレートに感動してしまった。売人仲間(実際にはいなかったらしい)として個性豊かな面々を加えていく様子を丁寧に描くことでこちらは否が応でもそのメンツに感情移入することになり、更には本物の詐欺師を登場させて主人公との違いを際立たせることによってその効果は最大限となる、この演出の巧みさ!

キャスティングやストーリーは全く違うけれど、全体に流れるにおいというか空気感というか、が『傷だらけの天使』にちょっと似てた。
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