甘口映画

蜜蜂と遠雷の甘口映画のレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
4.1
出て来る人たちのセリフが素晴らしくて、一言一言が観てて、聞いてて、とても心に刺さりました。

でも、そのセリフに頼ることなく、表情や、景色、映像でも観てる者にわからせてるのも良かったです。
最初の予選で亜夜が弾くピアノに映った幼い頃の亜夜と母親のシーンは特に「いいなぁ」
と思いました。

天才たちの競演を描いてはいますが、突拍子のない才能の描き方をせずに、
また、各人の関わり方がギスギスもベタベタもしない、「辿り着いた者達ならではの関係性」を描いていたのも観てて惹き込まれました。

4人の突出性が暴走することなく、嵯峨や小野寺といったト書きのような役割の人たちが別の角度から話を進めているのも良かった。

断片的に差し込まれる話や、景色もいいリズムで入ってくるので私としてはすごく見易くてわかりやすかったです。

『蜜蜂と遠雷』というタイトルはどういう意味なのかなと途中ふと気になったけど、最後の方で「あ、そういうことか」
と思いました。
そう思えたシーンと、それが序盤のあるシーンと繋がった時に、ラストの1カットがバーン!と来て、鳥肌が立ちました。
エンドロールも込みでとても好きな1本になりそうです。
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