FATMAX夜食のデブロード

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のFATMAX夜食のデブロードのレビュー・感想・評価

3.5
コレは技法がてんこ盛りで、ストーリーや仕掛けは わりとシンプルって事ですかね?
観てて物語自体に「おおぉぉぉっ!」となるよりも、映像作品としての技や仕掛けで「ほほ〜っ!」って感じになったんですわ。

"だからこそ"なのか、終わってみると意外と本筋はアッサリ感。

早い段階でそういう事が落ち着いて判断出来る状態に居た。

つまり自分自身が俯瞰で観てた…というか「俯瞰に置かれちゃった」みたいな感覚があったって事で。

元々そういう鑑賞スタイルなら良いのだろうけどワシはあまりそういうタイプじゃないので、面白いと思う一方でストーリーに没頭してない感覚も少しあったってのが正直な感想で。


周囲の絶賛が多くて期待値が上がった状態で観たら結果「自分的に"ソコまでではなかった"」なら良くある話だが、

『絶賛はナルホド良く分かったのだけど…ナンか波に乗れてないんだけど…イヤ、波は見えるんだけど…ドユコト!?」

みたいな。

もうコレひょっとしたらメンタル的に観るタイミング間違えただけ??…とか考えちゃうぐらいw




『ナゼそっち?』みたいな例えで言うけど、


居酒屋で一杯呑んで落ち着きたくて 周りから推された店に入ったら、確かに腕はピカイチで料理もしっかり作られてるし 皆んなが言う様に"お値段以上"で至極納得したんだけど、やたら唸らせられる技量に気を取られて「良いなぁ〜。落ち着くなぁ〜。」って気持ちになれてなくねぇか?
…あと、チョット味付けが好みと違わねぇか?

いや、ウマいはウマいし文句とか全然無いんだけどさ…
でもあの店ならアレで正解だろうし、皆んながススメて来たのも分かるし、まぁ確かに良かったっちゃ良かったな…ウン。


こんな感覚。


更に言えば、

「あ、でもあのパンチ強めなモツ煮込みは最高!」
(↑クリス・エヴァンス)

「久々に食ったけどやっぱブリ大根イイよね。」
(↑ドン・ジョンソン)

「やっぱ居酒屋で焼き鳥がしっかりしてると安心感あるよな。」
(↑ジェイミー・リー・カーティス)


と、プラス要素がガンガン来るんだけど、やっぱり心の何処かで〈…こういうのを求めてた?〉が消えないというか、


『イヤ、良い店よ!確かに良い店。…ただ、ナンだろ。ナンかこう…落ち着かないのよ。』

みたいな感覚が残る映画であった。



『…コレ、話 通じてますかね!???』




間違いなく良作だろうけど、技巧的な部分があまりにも露骨に感じたのか、単純に本筋が物足りなかったのか、未だに自分でも明確な解答が出来ない。


というワケで、

面白いし 好きな部分も結構あるし 何ならオススメだって出来るけど、ワシ自身は

『テンション爆アゲ大絶賛ではない。』

という、現状 不思議なポジションに滞在中の作品である。


ただし、答えが出た時にココを書き直す約束は

『しません!』