たけひろ

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のたけひろのレビュー・感想・評価

4.0
My house

My rules

My coffee

予備知識を入れずに観たので、この豪華キャスト陣の中ならきっとそれほどでもないのだろうなと予想していた、アナ・デ・アルマスの役の大きさに驚いた。

ほぼ主役。

彼女は献身的で善良な役が合うなあ。

「ブレードランナー2049」でも魅力的だったし。

存在を初めて知った「ノック・ノック」では逆に極悪ビッチがはまっていたので、振り幅のすごさに感心してしまう。

いつか、ひとつの作品の中でその振り幅を発揮して、さらなる名演技を披露してくださいとお願いしたくなる。

本作は、ミステリー映画としての謎解き要素も、遺産相続絡みの家族たちの滑稽さも、もちろん楽しかったけれど、それよりも、アナ・デ・アルマスと、大富豪の屋敷が世界一似合う名優、クリストファー・プラマーとの友情が胸に響いた。

紳士探偵のキャラクターの癖をもっと強くしていたなら、とか、誰もが真犯人と怪しんでしまうような効果的なミスリードがもっと散りばめられていたなら、とか、家族たちの遺産を巡る泥々の右往左往をもっと極限まで振り切ってくれていたなら、とか、個人的には欲求不満となってしまう点もあったけれど、そのあたりを帳消しにしてしまうほど大いに好感を覚えたのは、移民問題を説教臭くなく、皮肉を込めたユーモアで表現したセンス。

メッセージの込められたラストカットも、構図を含めて、ばっちり決まってる。

(「ヘレディタリー」での印象が強烈過ぎて、あの屋敷でトニ・コレット先輩が絶叫したり、全力ダッシュ&ゴンゴン&ギーコギーコしたりするのを期待してしまったが、するわけがなかった)
たけひろ

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