クロ

僕たちは希望という名の列車に乗ったのクロのレビュー・感想・評価

3.9
恐怖で押さえつけないと壊れる体制なんて、そもそも脆いんだよね…。
やはり全体主義は恐ろしい。黙祷しただけでネチネチ絡まれ脅され、将来を潰されるなんて。

と思いつつ、民主主義社会も腐敗するし、簡単に機能不全に陥るのだと実感する昨今。政権や体制への批判が実質許されないのは民主主義の国も同じだった。

そんな中でも、自分の信念を貫けるのか。正しいと信じる行動が取れるのか。
体制批判だけでなく、一人ひとりが信頼や誠実さを問われる物語だった。


原題は『沈黙する教室』で、彼らの「沈黙する」行為そのものに焦点が当たっているのに、邦題が『僕たちは希望という名の列車に乗った』で、「西側の国は素晴らしい」「西側に行けば万事解決」という西側の自画自賛みたいで、個人的にはちょっとモヤつく。

原作は西側に行ってからの話の方が長いみたいで、それも気になる。読んでみたい。
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