Pinkman

僕たちは希望という名の列車に乗ったのPinkmanのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

二分間の黙祷で故郷を捨てることになろうとはそのとき誰も想像していなかった。仲間のために彼らは立ち上がった。自分の信念に従った彼らが最後に出した答えとは?


この話は「奇跡体験!アンビリバボー」で見たことがある。そのときの話では一度に全員が西側へ行ったのではなく、一人もしくは数人ずつが合流したと聞いた気がする。最終的に男子生徒全員と女子生徒1人が亡命し、西ベルリンで卒業試験を受けて大学へ進学したとのこと。さらに東ドイツに残った生徒の方も首謀者ではないと認められ、無事大学に進学できたとか。家族は度々西側に会いにきてくれて、生徒らは数十年後に同窓会で再会したとも言っていた。

ソ連兵にナッツを投げつけたテオの行動は笑えない。不満に思う気持ちは分かる。でも一緒にいる仲間を巻き添えにしてるし、たった一人の行動で全員が共犯者だと思われて逃げなきゃいけなくなった。せめてバレないようにやれと言いたい。

好きで来てるんじゃない。人は何らかの体制に従属して生きている。ソ連兵だって故郷に帰りたいと思う。家族にだって会いたいだろうし。

クラスメイトといっても一人一人家庭環境は違う。クルトが首謀者と分かったあとも市議会議長の息子だからと忖度されてるのを見るとクルトは初めから他の生徒よりも恵まれた環境にいて、父親の保護下で大分自由にさせて貰ってるなと思う。結局クルトは証言さえすれば見逃してもらえる立場にある。他の生徒ならこんな選択肢は与えられていない。生まれた環境によって選べる人生の選択肢(チャンス)の数は違う。でもそのチャンスをふいにしてでも揺るがなかった信念と仲間との絆は大人が思うよりもずっと強固なものだった。
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