ムー

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のムーのレビュー・感想・評価

3.0
やはりハイクオリティなCGで恐竜の闊歩が見られるというだけで、このシリーズは価値があると思ってる
これもシリーズの途中の一作としてならそれなりに楽しめる
しかし、締めの作品としてはストーリーも映像面的にも、もうちょっとやり方あったんじゃないの?と思わざるを得ない

ジュラシック・パークからジュラシック・ワールドに名前を変えて、2作目の最後にようやくマルコム博士から激アツタイトル回収もいただきまして
さあ恐竜が世界中に放たれた中で、人間や現代の動物達がどう共存していくのか?
というテーマで、内輪での揉めごとから世界規模での生態系っていう、ミクロからマクロの話になっていくんじゃないの??
結局3作とも島だの保護区だのとテイを変えながらも、全部隔離空間内で完結しちゃってやんの
ほんとにびっくりするぐらい同じプロットで進行していって、そのまま終わっていくもんやから思わず「えー、ちょっとちょっと」って声出た(もちろん家で見てるときね)

で、今回はレクシーに加えて、ギガノト、テリジノが大暴れですか
なかなか見応えありそうじゃない
え?イナゴ?……イナゴ??

そうなんです
今回もはや恐竜はただの舞台装置
世紀のマッドサイエンティスト、ヘンリー・ウーが今回手がけたのは、恐竜の復元でもハイブリッド恐竜でもなくイナゴ
改造イナゴによって大飢饉が発生するのを防ぎ、バイオシン社の悪行を世に知らしめようとするグラント博士たちを恐竜たちは邪魔するだけ

バイオシン社やらドジスンやらグラント博士やらシェービングクリーム缶やら
ファンを楽しませようとする意気込みはとても感じられたが、そのどれもが浅い
やのに、監督のやりたいこととファンサービスを両立するために辻褄を合わせようとして、ストーリー展開が破綻してしまってる
ヘンリー・ウーが改心するに至ったまでのプロセスをもっと見せて然るべきやし、ドジスン裏切って味方してくれたボーイも、いやお前誰やねん状態やし
そして、2時間ストーリーをとっ散らかしきった挙句、「恐竜たちとどのように共存していくのか?」って
いや、それを描けよ
2時間前と同じところにゴールしてますけど

とまあ、色々うーんと思う部分は多いけど、やっぱこのシリーズ好きなんよなー
クレアおばさんがパルクール決めるまでに体張ってて、その成長ぶりに感動したり(いやお前国際指名手配されててもおかしないやろ!というツッコミは一旦置いておいて)
酷評されてる、グラント・メイジー・オーウェンの3人での手かざしも、なんやかんやかっけーと思ったし(いやお前、今さら3人がかりで子どものヴェロキラプトル止めるだけかよ!というツッコミも一旦置いておいて)

そういう意味で見て面白かったと思える作品やったし、監督が頑張ってるのも伝わってくるんやけど、結局は作り方がアメコミヒーローとおんなじご都合主義全開なんよな
主役級の人ですらほんまに死んでしまうかもしれないと思わせるほど、やっぱりスピルバーグの緊迫感の作り方は天才的なんやなと感じさせられた
ムー

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