中国の深圳に住み、香港へ越境通学してる高校生がスマホ密輸という闇の世界に手を出して裏世界に染まっていく様子を描いた青春映画。
これは俺の好みだった。瑞々しくて、危なっかしくて、どこか孤独感のある映像とストーリーが水のように心に浸透してきた。また主演の子の一見素朴なのに芯が強い感じとか、友達の男の子の自然にカッコイイ感じとかとてもよかった。
香港は関税優遇制度が取られていて、スマホも中国大陸よりかなり安い値段で売られており、この映画の主人公のように越境通学してる女子高生はスマホ密輸に最適なんだなって気づかされた。そのへんの事情は説明されてなかったので、中国の周辺知識がないと細かい理解ができないかも。ちなみに主人公の着てる高校の制服が日本のアニメっぽいんだけど、これは偶然ではなく中国では本当に日本のアニメを参考にして制服をデザインしてるんだとか。そんなとこだったりも中国の現在を覗けたようで楽しかった。
危なっかしいし薄暗いし切ないのに、どこか爽やかさもあり後味も悪くなくて素晴らしい映画だった。中国の「北京の自転車」って映画と台湾の「九月に降る風」っていう映画が中華の青春映画で大好きなんだけど、この映画もそれと同じくらい好きだった。中国と青春映画が好きならぜひ見てほしいです。
