つっきー

メモリーズ・オブ・マイ・ボディのつっきーのレビュー・感想・評価

3.9
身体に響く映画 身体の内側がざわめく

レンゲルダンスそのものの抱える歴史的なトラウマ
男性性と女性性の共在する身体
トラウマ 身体的政治的宗教的トラウマ
レンゲルダンスの政治キャンペーンとの癒着、アニミズム宗教とインドネシアのイスラームとの衝突

「さらばわが愛」をも思わせる
男性が女性舞踊を取り込む

ムーンライトの香りもあるがムーンライトほど芸術点を取りに行ってはいない
それが良さでもあり後半の退屈さでもある

序盤の「レン・ゲル」に関するメタフィックな、アニミズム的な視点を貫き通しても良かった
ボクサーが試合で負けるまでの前半部はかなり面白かったと思うが政治背景みたいなものが出てきた後の停滞感
それはたぶん存命の人物の半生を描いているためであり、政治の流れそのものも未だ区切りを迎えていない現在、「歴史」以前の状態のものを描こうとしているためだと思われる


東南アジアの人々の美しさは、黒人のそれとアジア人のそれの中間のように思え、スパニッシュのそれともまたちがい独特の映りがある。
僕らの身体にも馴染む美しさだ
つっきー

つっきー