KingLeo

スケート・キッチンのKingLeoのレビュー・感想・評価

スケート・キッチン(2018年製作の映画)
3.0
冒頭のシーンのウィールがコンクリートをゴォォオーって滑って行く音、テールを弾く甲高い乾いたカンッて音、コンクリートのひび割れたスケーター殺しのつなぎ目を超えて行くカタッて音、よく入れてくれたと思った。スケーターならわかるはず。心地いい。それだけで、久しぶりに映画館で鳥肌だ。
同じストリートでもスケーターには見えている景色が違う。ストリートはスポットだらけだ。
小石にズズズーって引っかかるシーン。なんかはスケボーあるあるで、よくある。あのシーンはナチュラルだったんかな?もしくは彼女達のアイデアなんだろうか。多分スケーターじゃなきゃまず入れないシーンだ。っていうのが何個かあって監督がいかに彼女達の意見も取り入れていたのか、すげー好感が持てた。滑ってるシーンとかもスケーターがカッコ良く撮れていて良かった。スケボーがダサかったら本末転倒だ。
女だろうが男だろうがゲイだろうがガキだろうがカッコいいヤツはカッコいいし、それは別にスキルじゃない。スタイルだ。映画見ても分かる通り今は誰でもtre回しちゃう時代だ。彼女達もファッションはもちろん、滑りもスタイル全開でカッコ良かった。誰だか忘れたがノーコンウォーリーとか渋かった。
劇中の会話内容なんかも見て分かるがKidsっぽい。というか画もだが、ハーモニーコリンだ。Kidsほどの衝撃はないが、大麻吸うのとか、パークでケンカとかはモロで意識してんのがわかって面白かった。今も昔も人間のティーンは変わってないんだな。変わったのはスケボーのデッキの太さ位だ。
ただ、体調が悪かったせいもあり、ドキュメンタリーみたいな手持ちカメラと超closeな画ばっかりで酔った。
見ながら思ったがスケートブランドの協力の多さ。ちょっとオシャレにポップにしすぎだけど、それでもエルファニングなんかじゃなく、彼女達を使った役者にはないリアルさ。主人公とか一人だけスキルがヤバイし。フルプッシュだし。w
って言うかみんな上手い。poserだからオーリーなんて出来ないよ。とウソつく。いやいやいやいやスタイル持ったガチのガールズスケーターじゃないかw
ただ、多分スケボーやった事ない人には彼女達のヤバさが伝わるのかな?っても思った。あのレベルになるまでには何度テールを地球に叩きつけてきたのか。何度自分も地球にslamかましてきたのか。多分伝わらないだろうな。そんな努力を微塵も見せないでクールな一面だけを見せるのはスケボーらしいと言えばらしい。まあ、そこを見せるような映画ではない。なんならジェイデン・スミスがスキルはもちろん一番ダサいしw スケボーやってんのは知ってたが、なんで出しちまったんだろうか。フィルマー役なんていくらでもいそうなのに。でも、意図してねえだろうけど、身につけてんのがsupremeとかで、こっちは如何にもなposerっぽく見えてんのは良かった。supreme自体は悪くない。
ストリートのshootingシーンで最後にポリスにはペコペコするくせに、力の弱い警備員騙して50かますとことかスケビあるあるでよくあるが、映画に入れたという点は良かった。あれは、もちろんワンメイクだろ。本当は警備員来る前に決める方がクールだけど。
これが日本だったら、リアルなスケーターじゃなく、主役はティーン向けのジャニタレや劇団ナンタラとかアイドル使って、カット割って誤魔化して、ダセーfakeスケボー映画になるんだろうな。プッシュ見たら分かる。
スケボーをするにはパークも良いけど、やっぱスケボーはストリートが文化だ。これは多分いくら町にパークが出来ても変わらないな。捕まるけど。
至る所でスケートボード禁止の張り紙があるスケーターに厳しい町渋谷で公開なんてのは皮肉だ。こんなん見たら今すぐフルプッシュしたくなる。
ガールズスケーターに限らず、これをきっかけに見た人が一人でもスケボーに興味持ってくれたらいいな。そんな映画だった。内容の割にちょっと長かったかな。ポスターヴィジュアルがダサいのもまた良い。映画としては既にKidsがある。自分はスケートボードムービーってだけで大満足だが、雰囲気優先だし、頭かてーシネフィルな奴らには合わないだろうが、スケボーに興味ない奴らにこそ機会があれば見てもらいたい。そしてスケボー始めて、冒頭のシーンを入れた意味がわかったらスケーターの出来上がりだ。
スケーターにスケボーやめろはママでも無理だよ。っていうかまず、辞めるという選択肢がない
KingLeo

KingLeo