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スノー・ロワイヤルのeverglaz0のネタバレレビュー・内容・結末

スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

【“Wind River” × “Fargo” 復讐ブラックコメディ】

監督の過去作を自らリメイクした本作。
元となったノルウェー版は観ておりません。

一人息子が殺され、妻にも愛想を尽かされ、自殺まで考えていた無口な除雪作業員が、息子は巻き添えを食らっただけと知り復讐を果たしていく話ですが、全編を通して悲観的、同情的視線は全くと言っていいほどありません。「はい、また死にました☆」と軽〜く流れていき、ブラックユーモアたっぷりです。

誰一人として、「いい人」は登場しません😅。強いて言えば、いじめっ子にやり返さず、嘘もつかないVikingの息子Ryan君のみでしょうか。主人公Nelsは ”Citizen of the Year” として表彰されるも見ての通りだし、Nelsの妻は、息子の本性を知らなかったのかと、自分のことは棚に上げて夫を一方的に責めているし(寄り添わない夫もどうかと思いますが)、検死官らは非情だし、女性警官は少し狡猾だし、男性警官は怠慢だし、ホテルのフロント女性は偽善だし、Nelsの義姉は無礼だし………。
一方でカルテルのボスや(元)構成員達も完璧なワルではなく、息子を愛して止まなかったり、弟を命懸けで守ったり、恋人想いであったり、人間味がありました。

Nels、Viking、White Bull、彼ら全員が息子と生き別れてしまいますが、NelsとRyan君は実の親子では築けなかった関係を短時間で作り上げたようでした。年齢的にはお爺ちゃんと孫ですけど。その後Ryan君はどこへ行ったのかしら。ママの所か。

コカインが粉雪となって散って行くのが良かったです。悪事は全て大雪と冷たい川底へ。

Oscar Wildeの言葉から始まり、何のこっちゃという感じでしたが、なるほど、行く先々で幸せをもたらす人は、登場したとすればRyan君で、いない方がマシな輩はその他大勢のようでした☆😁

町の平和を乱す者は雪と共にかき消して、今日も除雪車は走るのでした。

重機ファンはちょっと興奮するかも?

それにしてもCoxman兄弟、似てなさすぎ。

"Some cause happiness wherever they go; others, whenever they go."
A—- Oscar Wilde
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