クワトロさん

私、オルガ・ヘプナロヴァーのクワトロさんのレビュー・感想・評価

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オルガ役を務める
ミハリナ・オルシャンスカは、
表情の演技もさることながら
瞳に宿る「光」の移ろいの表現が
特に素晴らしく見事でした。

ある時は
「かっこつけていじける子供」

またある時は
「世界を知らない奔放な子供」

またある時は
「恋に焦がれるまっすぐな少女」

またある時は
「志を打ち立てた覚悟ある人間」

またある時は
「世界に執着する一人のか弱い女の子」

といった風な
オルガの中にある多面的な性質を
瞳に宿る光の移ろいのみで表現しており、
表現者としての彼女に
圧倒的に惹きつけられずにはいられない。

その演技力に対して
強烈なスポットライトを当てる為か、
物語構成や映像表現はやや単調であり、
演出部分に関しては
「オルシャンスカの演技ありき」な
レベルに感じずにはいられません。
「可哀想な気もするけど、
同調したり自分を重ねたり
することは決してできない」という
なんともいえない空気感が終始続きます。


これは、
ともすればオルガという人物が
視聴者から見れば
「ただの重篤な厨二病患者」と
嘲笑される可能性を孕んでいます。


ただこの薄味風の演出が、
視聴者にとってオルガを
「同情できない異常者」と認識させ
さらに世間から隔離させるような
意図がもしあったとするならば、
これは少しワザありな演出とも
考えられなくもないですね。

【一言メモ】
「女」という存在の対としての「男」を
過剰にアピールするかのように
背中を丸めてガニ股で歩く姿は、
くすっと笑えるような
コミカルさもありつつ、
同時にオルガの「渇望」を感じさせる。
クワトロさん

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