岩嵜修平

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

3.7
正直、スコセッシ作品は得意なのと苦手なので大きく分かれるので、3時間半あっという間という評は嘘だろと思ったけど、本当だった。かなり省略してるのに、この長さが必要で、更に、エンドロールで語られる部分も描いて欲しいと思ってしまった。酷い話だが面白い。

デ・ニーロもディカプリオもリリー・グラッドストーンも非常に複雑な役を見事に演じている。変わらないビルと悪く変わり続けるアーネストやつれるモーリー。エンドロールで映される現実にはモヤモヤしつつも、とにかく彼女(筆舌に尽くしがたい壮絶な人生…)が幸せな余生を送れたことを願う。

正直『アイリッシュマン』はテーマに対する興味のなさもあって眠くなること多数だったが、本作で描かれることは、資源を持つ地域に侵攻し続けてきたツケが回って来ている現状の欧米諸国(日本も他人事ではない)に通じる話で、今こそ描く意義を感じた。殺人シーンも含めた徹底的なリアリティこそ重要。
岩嵜修平

岩嵜修平