ヴィクトリー下村

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのヴィクトリー下村のレビュー・感想・評価

4.0
206分という長尺に少し込みするものの、観てみると安定のスコセッシ節。強烈なオープニングからぐんぐん引き込まれた。スコセッシ監督は安心して身を任せてられる。

本作の目玉は何といってもロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオの共演。役柄的にもこの2人の場面が多いのだけどここだけでも見応え抜群。ディカプリオの顔芸も健在(笑)

この映画、これまでのスコセッシ作品では主人公にならなさそうな優柔不断なキャラクターが主人公になっているというのが目新しい。
というのも、当初はジェシー・プレモンス演じる捜査官役がディカプリオだったらしいがディカプリオ自身が役柄の変更を望んだとのこと。

これは作品の意図的に賢明な判断だったのではないだろうか。
本作は1920年代にアメリカで起きた先住民族の連続殺人を題材にしているが、もし捜査官をディカプリオが演じてたら「白人の物語」に終始してたと思う。

先住民族の大量虐殺という点で東京国際映画祭で観た『開拓者たち』と対になっている点も興味深かった。

いつか池袋の新文芸坐辺りでセットで上映して欲しい。重厚感に圧倒されて見終わった後は大満足でした。