ロードムービーでイカダというのは、やっぱりちょっと珍しいかもしれない。
長い道を車で延々と走る画は見れないけれど、キャンプしたり、魚とったり、海や川ならではのちょっとしたスリリングなシーンもあって、サマーキャンプやちょっとした冒険のような味わいが魅力の本作。
孤独な漁師タイラー、プロレスラーを夢見るザックが仲良くなっていく奇妙な友情が見どころであり、男同士の友情にじわじわと胸をあったかくさせてくれる。
ザックを世話するエレノアとタイラーのザックを巡る軋轢からの打ち解けていく場面も見どころであるし、その合間合間にザックが意外な活躍と共に成長を見せてくれるところも実に楽しい。
物語全体に、どことなくDIY感があるのも心なしかワクワクするし、一見怖そうなけれども優しい魅力的な人物も多く、そんな中で歩んでいくザックにピュアでタフな魅力を感じた。