ざきを

ザ・ピーナッツバター・ファルコンのざきをのレビュー・感想・評価

4.0
兄を失ったことから自分を見失った男に、プロレスラーになることを夢見る青年、若くして夫と死別しただ生きるだけになっている女性。不思議な縁で繋がる3人のロードムービー。

タイラーがザックに接する姿がとても良い。厳しく、そして優しく。ダウン症の子を相手にすると甘い言葉をかけてしまいがちだし、不必要に手伝ってしまうことが多いけれど、彼はちゃんと見守り、ザックができるところを見つけ、ザックが誰よりも優れている部分さえも見つけてしまう。そんな関わり方に改めて普通とは何か考えさせられる。

やはり人と人が関わることは心のどこかの失くした部分を埋め、元気づけ、人生の意味を見つけることができる。最後不思議と元気が湧いてくる、良い作品でした。

なんと主人公役ザックゴッツァーゲンの役者になりたいという夢を叶える作品だったなんて。そして彼と監督の一つの希望を叶えるためにハリウッドの問題児という悲しい異名をもつシャイアラブーフの更正の作品にもなっている。やはり人の夢や希望と熱意は人を動かすんだと実感。この製作のバックストーリーを聞いてから観たらまた視点が変わり、良い作品に感じるのでしょうね。また観たいです。
ざきを

ざきを