ざきを

オッペンハイマーのざきをのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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オッペンハイマーと様々な物理学者たちが原子爆弾を作るまでと、その後の物語。

原爆を作った人物とだけしかそもそも情報がなかったから、作ったその後の良心の呵責や、アメリカでの彼の扱われ方を知ることができたのは、やっぱり伝記映画にしかなせない技だなと。

伝記映画を深く暗く、鮮やかに。
さすがクリストファーノーランだなって。
戦時中と戦後の2つ時代を何度も行き来しながら語っていくから、内容を追うのに必死になるところを、モノクロとカラーで話を繋いでわかりやすくするのは流石だなって。
モノクロを現在に、過去をカラーで演出するあたりは、伝えたいもののこだわりというか。過去の方が色褪せず鮮やかに嫌なこともいいことも脳裏にこびりついているということを伝えているようで、とても印象的な表現でしたね。

総じて面白かった。
けどやっぱり、私はこの映画を評価できない。
祖父は広島の海からキノコ雲を見た、その凄惨な広島での出来事を何度も祖父の口から聞いた。大好きな祖父が毎年8月6日になると必ず教えてくれた。「あの時代を繰り返してはならない」という言葉を、思いを私は受け継ぎたい。忘れたくない。
人類はこの兵器を作るべきではなかった。そして今後、絶対に核兵器をつかってはならないし、作っている国があって、それで国の力を誇示するのなら、それを許してはいけない。核兵器は、戦争は、何もいいものを生まないよ。
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