まこと

ザ・ライダーのまことのレビュー・感想・評価

ザ・ライダー(2017年製作の映画)
4.5
「それでも人間は生き続ける」
なんだ、ただの傑作じゃないか。

人馬一体
馬脚を露わす
馬子にも衣装
なんて熟語があるほど、人の歴史は馬と共にある。それは日本だけでなく海外も同じ。人は馬に乗って大地を駆け回り馬によって荷物を運んだ。馬は時として移動手段でもあり家畜でもあり対価にもなった。いつしか馬は馬車へと代わり車となった。
それでも本質は今も変わらない。


人を人とたらしめているのは何か。
一緒に歌を唄う仲間や酒を飲む"隣る人"がいて富や生き甲斐をくれる"役割"がある。
政治家は落選したらただの人、なんて言うけど、人を治せない医者も農作物を作れない農家もただの人。
そして馬に乗れなくなったカウボーイも。人は無責任に「別の道に行ったら?」なんて言うけど、そんな諦めがよかったら男なんてやってらんねっすよ。
馬は手綱を引きすぎると後ろを向く。
でも、それは、馬だけ?
まるでそんなことを言われているような気がした。
令和になって早二年。何かを始めようとして始められない貴方。仕事場は潰れるかもしれないし、結婚だってするかもしれない。大病を患ったり大ケガをするかもしれない。でも、時は待ってくれない。後悔しないためにも駆け出そう。
必ず日は昇る。そしてそんな朝焼けの大地を馬は駆ける。


こんな素晴らしい映画が日本公開されないなんてどうかしてる。
サウスダコタなんていう、この世界の片隅から発信された素晴らしい映画に感謝。
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