あらすじ:神性はあらゆるところに宿っているから、思考と行動に気をつけて。
エストニアの貧しい村で暮らすリーナはハンスに想いを寄せていたが、彼は領主の娘に心奪われており…というお話。
野蛮な村人が印象的。食欲や性欲を満たすために、奪うことにしか力を使わない。しかも、汚れ仕事は人任せ。挙げ句、死んでなお子孫から搾取。吐きそうなほどがめつく、神様に見放されても仕方ない連中。ただし、同情はできる。
個人的には、疫病神と村長の対話がハイライト。あの懇願は、やや無責任ではあったけど、そこに含まれた悲哀と良心には深く感情移入できた。
現し世と彼岸の境界を曖昧にする演出が、独特で目を引いた。分かりやすくないし、口当たりも良くないけど、とても細やかに主題を説明していたと思う。リーナが水中で揺れる幻想的なシーンは、彼女が今どこで何をしているのか、よく分かるようになっていた。