クリスマスに突然故郷に帰ってきた男を驚きつつも温かく迎える大家族。しかし男にはある秘密の計画があって…という『たかが世界の終わり』的なシチュエーション。

テレビやスマホへの意識の違い、兄弟間の確執、信仰心の温度差。様々なずれを内包した家族像が鮮明に浮かび上がる。基本的に主人公の男が身勝手なので始終ぞわぞわして滅入ってしまったのだけれどその中で、兄を慕う最年少の妹のピュアな存在に救われた(たかが世界…のマリオン・コティヤール的な立ち位置かな)。ずっとどんよりしてるのかと思いきや終盤のクライマックス感はすごかった。えーっなんだなんだこの展開は！！

しかしこの作品が本国でたくさんの賞をとったとは…不思議な国。ポーランド人は暗い話が好きなのか？？

いろいろな「落ち着きのなさ」をカメラの揺れで表現する手法は感心できないな。
ともかくも、主人公をはじめほぼ全員の（不穏含みの・円満志向の）多動性が、聖夜らしさと聖夜らしくなさのミックス感をそこそこの出来にしてるのだった。
そして、ウエハース・タイムから団欒が素敵にバクハツ！　これがポーランド式クリスマスか！　小津安二郎的公式を脱して肉食人種には肉食ならではのホットな家庭映画の黄金比があっていいんだ！
それからの、必然性ある暴力（酒飲ますところまで）は見づらくないし、どこで終わってももうＯＫな、活発な丁寧さ。
だが、だが、、兄弟喧嘩からついに、やりすぎ領域！！　悪い意味で映画しちゃってる。早いとこエンドにしておかなかったから。ベタ（いかにも）っていうより、とにかくや・り・す・ぎなんだよ。。。。
第一、あんたらそれでもクリスチャン？

一族に扮した全員に私から俳優賞をあげたいけどね。ほんと適材適所。序盤の立ち●ョン軍団も頑張った（笑）。

［東京都写真美術館 ポーランド映画祭2018］
※　毎年このポーラ祭ではスゴ新作にやられる。去年の『プレイグラウンド』が野球でいえばライナー性ホームラン（蹴球なら強烈ミドル）みたいなキレある大当たりだったのに対し、今年のこの当たりクジは大三塁打のはずが暴走ぎみに本塁突入感（または、もたつきの後にいきなり五人抜きドリブルしてシュートは“神の手”感）で微妙判定を呼び呼びしそう。

こんなクリスマスは絶対に絶対に嫌だよぉぉぉおおおおおお、、、、
地獄だよおおおおおお
暗い暗い惨め惨め惨め。
そんなわけで、居心地悪いったらありゃしないクリスマス映画だった。
ひぃぃいいいいい.........

大元のテーマは、ドラン監督の｢たかが世界の終わり｣と同じ。
主人公がある秘密を抱え、それを打ち明けるために実家に帰ってくる。
しかし、ここの家族も｢たかが世界の終わり｣くらいにクセが強い！
ボケ始めてるおじいちゃんと、かわいい妹くらいしか感情移入出来るキャラがいない。。
主要キャラ達は、控えめに言ってもクズしかいないから気が滅入る。
主人公ももちろんクズ。

そんな彼らのやり取りも負のオーラ全開で、見ている私の心はクリスマスというかお通夜状態。
悲しいなぁ。

主人公の奥さんはなかなか登場しないんだけど、最後にやっっと出てきたと思ったら、この女が1番のクズで中指立てたくなっちゃったーーー！！！！
うおおおおお

最後の最後に1番の裏切りが来て、負のオーラが100%になったところで映画は幕を閉じるのであった