賽の河原

ブルーアワーにぶっ飛ばすの賽の河原のレビュー・感想・評価

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)
3.8
今年もすっかり暮れになりまして、最後の繁忙期(a.k.a.逃げ切り)って感じですけども。
今日は今年の漢字が発表されたそうで。
私の今年の漢字は「生」ですね。なんとか人生ぶん投げなくて済んだ、生き残った。もうその幸運に感謝しつつ、たくさん生ビールを飲めたっていうね。
基本的に硬式ネガティ部出身ですし、何事も余裕がないと「あっ...もう詰んでるな。終わった...」ってなりがちマンなので本当に割と人生拗らせてる方でね。
映画観てても、やっぱり数見てると好きなタイプの映画のパターンって割と定型化してるんですけどね。人生拗らせてるマンなので「拗らせてる奴の映画」カテゴリはチョー好きなんですよね。
ところが問題はさ、拗らせ具合の波長が合わねえとすぐ文句しか言わなくなるっていうw
最近で見てもさ『愛がなんだ』とか『生きてるだけで、愛』『きみの鳥はうたえる』『勝手にふるえてろ』とかさ、拗らせつつ評判が良い作品といいますか、邦画の恋愛映画中心にさ、良いとされる作品が多いわけですよ。
ところがさ、俺がめんどくさいのはさ「拗らせているが故に自分の波長に合わない拗らせに対して排他的」っていうねw
もう二言目には「こいつらめんどくせぇ」とか「メンヘラ感が」とか言い出すわけですよ。
要は「いや、環境問題には関心ありますけど、ちょっとグレタ・トゥーンベリさんは...」とか「安倍政権はどうかと思うけど、9条最高マンじゃないんすよね...」みたいなさw
拗らせてるんだけど、拗らせ原理主義的な映画には割とドン引きするっていうね。拗らせ映画界にも分断の波が訪れてるわけですよね大変な時代だぁ。
そういう意味では本作は、そこまでバチバチに評判が良いって感じでもないですけど「あっ、俺、このくらいの波長がチョー好きw」っていう感じですよね。
まずさ、座組みが圧倒的に優勝してるっていうかね。俺、「『海街diary』の現実には存在し得ない美人姉妹の中では一番夏帆さんが優勝してる」と思ってるマンなんですよ。#あのアフロになりたい人生だった #知らねえよ
だからもう夏帆さんが魅力的に撮れてる時点で1億点出てますよね。あの早口ガン詰めぶりとかカラオケくだまきっぷりとか、まあ記号的っちゃ記号的なんですけど、好きっていう。
もうこれ観た人にしか分かんないですけど、チョー酔っ払ってペットボトル持って外でぶっ倒れてるシーンで、ペットボトルで水を...っていうあの行動w 俺凄え分かるっていうw
座組み、で言うと旦那が渡辺大知さん。これは1億点だよね。んで、あのスナックで最高のカウンターをかまし続けるオバさんが伊藤沙莉さん、若くしてアレも1億点。んでホント笑うのが実家に帰っての母親と父親が南果歩さんとでんでんさんっていうw もう『葛城事件』と『冷たい熱帯魚』ですよ、もう台所でテレビ見ながら飯食ってるフード描写とか刀振り回すくだりのMCU的に、記憶を刺激する異常なまでの不穏さw マジで怖いし笑うよねw
んで、見直したのはシム・ウンギョンさんですよね。『新聞記者』のジトーっとしたクソ暗い演技しか見てなかったんですけど、むちゃくちゃコメディエンヌとして光るじゃん!w っていう。本当にこういう役者使ってああいう映画つくっちゃう『新聞記者』の下手さ。残念。
とにかくさ、本当は昨日『アイリッシュマン』観てるんで本来ならそっちの方の感想あげなきゃアレだと思うんですけど、ぶっちゃけアレですよ。ワンハリ的なさ、悪く言っちゃいけない雰囲気あるじゃないすか。
ぶっちゃけ「スコセッシ耄碌してきちゃったのかな?」と思わないでもなかったですけど、もうさ「スコセッシの集大成」とか言われちゃったら特になんも言えないじゃん?デニーロ、アルパチーノ、ジョーペシとか言われたらひれ伏す他ないですよ。
でも、私はスコセッシの最新作より、箱田優子監督の初監督作品めっちゃ才能に溢れてるなと思いましたし、デニーロとかよりも個人としてはビンビンくるキャスティングでね。
映画って本当に不思議ですよ
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