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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドの3100のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

売りはディープラーニングなどによって彩色され、更に環境音や音声が当てられた映像だが、リアリティの復元だけでなく現代社会にも通じる警告を残した、良い作品だった。
内容は第一次世界大戦に志願し従軍した10代イギリス兵たちの、戦争初期の高揚感と戦場の現実、そして戦後の回想という形を取る。
かつては冒険を求めた気楽な若者だった兵士たちが、近代化した戦争の悲惨さを訴えるのが古典的な流れとはいえやはり印象的。
開戦時には志願しなければ卑怯者であるかのような視線を投げかけた市民が、戦後には彼らに対して無関心になったという社会の軽薄さ、そこに友や命を賭けた兵士たちの無念さもやや滲んだ。

尚、元となる映像を保管する帝国戦争博物館について。昨年訪れたが、随所に戦争の悲惨な現実を告げる展示があり、良い教育の場になっていた。ナショナリズムを高揚させるだけでなく現実を見直す仕掛けが多くあるのが羨ましく思う。
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