シネラー

機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
"ファーストガンダム"、"Zガンダム"
それぞれの劇場版三部作を鑑賞し、
更にOVA"ポケットの中の戦争"を経て、
本作を初鑑賞。
今まで以上にそれぞれの人物のエゴが
絡んだ、宇宙世紀の一つの終焉となる
良い映画だった。

アムロとシャアの決着を描く本作だが、
腐敗した人類に失望しているシャアと
まだ希望を捨てていないアムロ、
双方共に共感できる主張だった。
只、最後まで鑑賞していくと、
シャアも僅かに希望を信じており、
アムロに自身を止めて欲しかったのでは
ないかと思えた。
又、アムロとシャアを支える女性が
活躍する描写が多いが、
その接し方の違いから
大人なアムロと子どもなシャアの対比
が感じられる良い描写だと思った。
モビルスーツ戦のクオリティは
素晴らしく、デジタルでもCGでもない
セル画の細かな戦闘は凄いと感じた。

シャアが既に侵攻している状況で
物語が開始される為、その点は状況説明
として不親切に感じられた。
又、嫌いな点としては、
クェスとハサウェイ関連の部分だ。
哀れむ子どもであるクェスだが、
その無邪気さよりも自分勝手な自我の塊
という印象が強く、
感情移入もできなかった。
ハサウェイに関しては、
最後の行動に憤りを感じた。

クェスやハサウェイといった
子ども達の描写を上手く描いていれば、
個人的にもっと好きな作品になれたと
感じられた。
只、物語の結末は目が潤んだ位に
感動する内容ではあり、
アムロとシャアの決着も単純な勝敗で
終わるものとなっていない事も
良かった。
一本の映画としての見所もふんだん
な作品であり、
本作以降の宇宙世紀のガンダムにも
いつか触れていこうと思った。
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