りく

Fukushima 50のりくのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
3.0
何年も邦画を観てこなかったが、この作品は観ておかねば、と思っていた。

あの大震災、遠く離れた場所に住んでいた自分は、直接的な被害こそなかったが、いろんなダメージは受けた。

毎日、食い入るようにニュース映像を見ていた。情報収集もした。

今作で描かれた話の、どこまでが現実の出来事に忠実で、どこからがデフォルメされてるのかは分からない。あくまで想像するしかない。

東京電力で当時重役だった3人は起訴された。

時の政権トップ、内閣総理大臣はパフォーマンスと揶揄されても仕方のない余計な行動をし、一刻を争う現場の邪魔をして混乱させた。これは当時から報道されていた。

そしてアメリカを始めとする世界各国の支援や協力の要請を災害発生の当初に、「まずは自国で」と我が国の(当時の)政権は拒否している。今も全くもって理解できない。

作品内での首相はあまりにも感情的な描写だった。大げさな印象も持つが、実際あれに近かったことも報道された。

メディアがどこまで真実を忠実に伝えているかは分からないし、現場で目撃した訳でもないが、こういう人物に当時の現場は、福島は、東北は、そして日本は揺さぶられていたということだ。

首相が怒鳴りまくっているのを見て、現場で聞いていた一人が

「何言ってんだコイツ」

と冷たく言い放つ場面がある。あれこそが全てだ。

この作品を観た数時間後、再び東北で大きな地震が発生した。被災した方々の事を思うと本当に辛い。

復興に「これで終わり」はない。その事を心に刻みながら生きていこうと思う。
りく

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