ごまかしオジサン

Fukushima 50のごまかしオジサンのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
4.4
完全なフィクションじゃないので、純粋に評価できないというのが正直なところ。
この作品を見て、原発事故を決して美談にしてはいけないし、現在進行形で脅威があることから目を背けてはいけないと思った。

ただ、ドキュメンタリーなどでは追いづらい東電内部の出来事を映画という形で再現し、全世界に知らしめたことは、大いに社会的価値があることだと思う。

どうしても、裁判のニュースなどを目にすると東電が悪者に移ってしまうが、現場で事故の復旧に当たった人たち、そして今も廃炉作業を続けている人たちには頭が下がる。
津波の高さを見誤っていたこと、技術経営が海洋放水の判断を遅らせたことなど、責任の所在が東電に帰するのは仕方ないが、1部の勇敢な人達がいたことは素直に称えたい。

個人的には伊崎さんの「東京の大学まで行かせてよ。俺は何のために働いてきたんだ。子持ちの40男にやるためか。」というセリフが響いた。
いざ、死を目の前にすると酷いことを言った後悔を思い出すというシーンなのもあるが、自分の娘も同じような男を連れてきたら、同じセリフを吐いちゃいそうだなと思ったからというのが大きい(笑)