浅草キッドのごまかしオジサンのネタバレレビュー・内容・結末

熱い。とにかく熱い。
胸が熱い。
目頭が熱い。
握った拳が熱い。
やっぱり、劇団ひとりは天才です。

ビートたけしの自伝小説を映画化した作品で、深見千三郎師匠との関係性を描いている。

客席の客に向かって「拍手してくれるな。こいつがダメになっちまう」と説教するところや言葉遣いからは傍若無人に感じるが、作品を通して弟子想いで熱い芸人魂をもった師匠だったんだなと感じさせてくれる。

芸のないエレベーターボーイだったタケシが徐々に頭角を表していき、師匠が戦争で失った手を「腹減りすぎて食べちゃったんですか？」とぼけるシーンは緊張と緩和がすごかった。

そしてラストも見事。
フランス座を年老いたビートたけしが練り歩く姿とそこに走馬灯のように蘇る記憶を調和させたエモさ満点の演出でした。

やっぱり、古き良き時代っていいなぁ。
人間が温かいし、互いが言葉を本気でぶつけあえてた気がするし、今その場に自分が存在してる感覚がより鮮明な気がする。
あー、スマホとか捨ててぇ。