にょこ

ホテル・ムンバイのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

悲しい事件を題材にしているから、辛いなーと思って中々見れなかった作品。
けど、本当に見て良かった。
あっという間に見終わってしまった。観てる間はずっと緊張していたけれど。

自分は安全なところから高みの見物を決め込み、非道な指示をする過激派の上層部が、腹立たしい。

主役かい?ってくらいカッコいい料理長。
こういう人だよ!真のトップって。
高みの見物を決め込んでるお前じゃねーぞ!!

登場からプロ意識が高くて、周りにも自分にも厳しく。

スタッフに、『ホテルマンはお客様を守る。
だが今逃げても恥ではない、謝るな。』
ってとこ、、もーまじでかっこよった。
ヒーロー!!

そして、本当はこっちが主役のデーブパテル演じるアルジャン。
この人の、イギリス人女性に家族の写真を見せ、ターバンについて語るところ、好きです。
そう、こうやって相互理解を深めていけばいいのに。
理想論だけど。
登場してからも素朴で、家族を愛する好青年。そして真面目で優しく、仕事熱心。
それらがわかる細かい演出もこの映画を楽しませてくれるポイントですね。

そして悲しい若いテロリスト達。
この映画の良いとこはテロリスト達の背景もわかるところ。それもサラッと嫌味っぽくなく。

本当にマインドコントロールだな。
当時の状況が、映画とはいえわかりやすかった。
テロリスト達って本当に信じているんですね、自分達が神のために戦い、それは勇者として扱われる所業で家族にお金が入ると。

こんな悲しいことあるかな、彼らも家族のため、信仰のためなわけだ。
もうねじれ過ぎてて…この映画もおそらく氷山の一角でしかないでしょう。

それでも、このホテルマンのように、自分の職務(軍人ではない、ホテルマン)をプライドを持って全うして、悪に染まらない人たちがいる。
更には、そこに胸を打たれる人々がいる。
いつかきっと、少しずつでも良いから、良くなってくれればと願わずにはいられません。
にょこ

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