りく

ホテル・ムンバイのりくのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.0
イスラム教徒によるテロ事件の映画。実話ベース。

2008年にインドで発生した同時多発テロ。ニュースを見てたはずなのだが全然覚えてなかった。

なので被害の規模を全然把握せずに鑑賞開始。予測できなくて恐怖が増し続ける。

登場人物の誰が助かり、誰が命を落とすのか読めずドキドキしてしまう。そのくらい銃撃の描写が冷徹で緊迫の連続。

テロの現場となったムンバイには治安部隊が存在せず、遠く離れたニューデリーからの派遣を待つしかない状態。

現地の(正義感に溢れた)刑事達が現場に突入するものの、次々と犠牲になっていく。

「もうすぐ救出が来ますから」と人々を励ますホテルマン。しかし延々と来ない治安部隊。

やがてテロリストたちはホテルに火を放ち始める。火災と銃撃、逃げることも出来ず震える人たち。

一方でテロリストたちに捕らえられ拘束された一部の人たちの一部始終にもいろいろと考えさせられてしまう。

聖戦と定義し、神の使徒だと自らを鼓舞し、異教の者たちを全て敵だとみなしてイスラムの若者たちは命を奪っていく。逡巡もなく。

そのテロリズムに同意も肯定もする気など微塵もないが、なぜ彼らは自分の死を最初から覚悟までして他者を撃たねばならないのだろうか。この手の映画作品を観る度にいつも思う。
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