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オオカミの家のharuのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.5
おうちがいちばん!

チリ南部のドイツ人集落に暮らすマリアは、三匹の子ブタを逃してしまい、厳しい罰を受ける。これに耐えられず逃げ出したマリアは、ある一軒の家に辿り着く。そこには2匹の子ブタがおり、マリアは彼らをアナとペドロと名づけ、幸せに暮らす。ところが家の外からは、オオカミがマリアを呼ぶ声が聞こえるのでした。

「カルト教団によるプロパガンダ」という設定で作られた、チリの不気味すぎるストップモーションアニメ。一見シュヴァンクマイエル風ですが、全然可愛くない。確かにアリ・アスターが絶賛しそうな内容です。「三匹の子ブタ」がモチーフとなっておりますが、本作は単なる童話ではなく、背景にチリの恐ろしい話が隠されています。
1960年代からチリに存在していた「コロニア・ディクニダ」。元ナチスのパウル・シェーファーがチリに設立し、拷問、虐待、殺人が蔓延る恐ろしいカルト教団です。本作は主人公マリアがこの教団から逃げ出すところから始まりますが、オオカミ(教団)が執拗に彼女を追う。マリアが新たな家で出会うのは二匹の子ブタ。では三匹めは?
初めて「外」に出たマリアは、自らの経験により「やっぱりおうちがいちばん!」という結論に辿り着く。洗脳って自力で解けるのか?
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