下鴨ボーイズドントクライのyudaiのネタバレレビュー・内容・結末

この30分の映像作品に自身の学生時代を投影して、胸を抉られるような思いをする人は少なくないと思います。成長に応じて夢や大切なものが変わる人、変わらない人、次第に合わなくなる互いの歩幅。その原因はある地点ではなく、生活の中で徐々に変化していった思いの積み重ねであり、いくら遡っても決定的なターニングポイントは見つからず、悲しい結末は遅かれ早かれやってきます。いつしか甘酸っぱい思い出となるのか、再び少しでも交わることすら避けてしまうのか男女の繊細な心理の機微がとても美しく描かれています。
今回は短編ということで時間的制約があったので難しいですが、恋の盛り上がりの部分も丁寧に描写し、主人公たちより若い世代にとって希望や憧れとなる要素まで描くことできれば、青春映画の大傑作となりうる可能性を十分に秘めていると感じました。監督が今後さらにご活躍されることを期待しています。