よーすけカサブランカス

クローブヒッチ・キラーのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

クローブヒッチ・キラー(2018年製作の映画)
4.3
すべては息子の最後の「多面的」という言葉に現れていて、確固たる信仰という軸とそれに相反する欲望を抱き悪事に手を染める相手が、彼にはずっと理解できなかったんだろう。欲望について説教を受けたから余計にだろう。だから家族を守ることとの間で揺れ続けた。だが猟銃を渡した瞬間から明らかに表情が変わったように、彼はあのときその多面性を自らにも宿すことになった。そしてそれを抱えながらも父と同じように地域の住民を導く存在へ。
つまりシリアルキラーものというより家庭の闇と向き合う息子のドラマという感じなんだが、嗜好が明らかになっていく描写や犯行の場面は他のシリアルキラーものに劣らない魅力があった。