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ブラインドスポッティングのmodonso14のレビュー・感想・評価

ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)
4.3
今なお世界中で根強く残る人種差別問題を題材とした本作。今なおというよりは、移民の問題等が頻繁に取り上げられる近年になり、人種差別の問題も一層広まりを見せている印象です😣
主な焦点は人種差別問題に当てられていますが、銃規制の問題について考えさせられる場面も多く、非常にメッセージ性の強い作品でありました。コミカルな会話やラップ等を交えつつも、芯の部分では非常に重たいテーマを扱っており、鑑賞後は心にずっしりくるものがありました。

オークランドの街の様子が二つの画面に分かれて描写される冒頭のシーンからクライマックスまで、まさに「ブラインドスポッティング」を軸としてストーリーが展開されていきます。終始緊張感のある展開ではありますが、特に終盤の緊張感たるや凄まじいものがあり、最後は心臓がキリキリしました…

タイトルの「ブラインドスポッティング」は「盲点」を意味するようです。ルビンの壺と呼ばれる図形のように、同じものを見ているようでも、見る人または見るタイミングによって違う見え方をするように、親しい間柄のコリンとマイルズでさえ、同じ世界を生きているようで、実は全然違う世界の見え方をしていたのだと思います。

人によって捉え方が違うということは冷静に考えれば当たり前なのですが、カッとなるとすっかりこの当たり前が飛んでいってしまいますよね😅 皆がこの「ブラインドスポッティング」の存在を認識することが大事なのだとしみじみ感じました。

皆が同じ見方だと「ブラインドスポッティング」は一切埋まることがありませんが、違う見方をするからこそお互いに「ブラインドスポッティング」を認識することができるような気がします。そういう意味では、コリンとマイルズのように本音をぶつけられる人が周りにいるってやっぱり大事ですね😊
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