ぐるぐる映畫

ウィーアーリトルゾンビーズのぐるぐる映畫のレビュー・感想・評価

4.2
ゾンビのような日々を過ごす人たち全てを抱きしめてくれるような青春映画登場!

いやぁ…今のこのタイミングで見れて良かった…

RPGのような世界観や展開が繰り広げられ、かなり異質で不思議な映画なのですが終始スクリーンに釘付け。
なんかワクワクしたんですよね。
なんだろ?懐かしいというか…

自分が小学生の頃の話なんですが…うちの家庭がゲームをあんまりやらせてもらえなかったり、買ってもらえない家庭だったんですよね。
でも誕生日の日だけ唯一ゲームを買ってもらえる日で(しかも新品だったりあまり高い物は買ってもらえなかった)その最高の日に近所の田舎の小さなゲーム屋さんに入って安い中古のゲームソフトを選んでる時が今自分が一番幸せなんじゃないか?と思うぐらい楽しかった。それを家に帰ってプレイしてそれがたとえクソゲーだったとしてもそれはそれで自分の中では楽しい思い出なわけで…

なんかそれと似てるんですよこの映画。
懐かしいワクワク感というか心踊る感じというか…鑑賞中とにかく楽しかった。

賛否両論分かれるかなり癖のある映画なのですが突き刺さる人には突き刺さる映画だと思います。

終盤で主人公の子がコンティニューするかしないかを選択させられるシーンがあるのですが…あそこ泣いちゃったんですよね。なんか自分の全てを始めて肯定されたというか。今までの自分を全て認めてくれたそんな気がしたんですよね。

そうなんですよ。誰がコンティニュー出来ないって決めた?誰が終わりって決めた?
勝手に自分は1人だとか終わってると思ってないか?この人生というゲームを始める時、名前をつける時、全てに希望があったじゃないか。

全員に響かなくても、自分みたいにこの映画を見て救われる人は結構いるんじゃないかと思います。

それと映画ってこういう事でいいんだよなって。確かに癖が強く万人に受けるものでは無いのですが、誰かの胸には突き刺さっている訳で誰かの人生の一本になればどう評価を受けようがどうでもいい事だしそれが映画を撮るって事だろうし撮る意味なんだろうなと。これって人生も一緒だと思います。

上手く生きてこれずゾンビのように日々を過ごしている人たち、絶望に押しつぶされそうな中高生に特に見て欲しい。死ぬ前に一回これ見てみないか?絶望ダッサ。