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ジョジョ・ラビットのkassyのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
3.8
試写会にて。

10歳のジョジョは空想の友達アドルフ・ヒトラーとともに、ヒトラーユーゲントでナチスのために働くために鍛錬していた。ある日家にユダヤ人の少女が匿われていることに気づき…?

子供の目線でユダヤとナチスの関係を描き、コメディでありながらしっかりと考えさせられる作品となっている。
無垢なジョジョはナチスを信奉し、ユダヤ人は人外のとんでもないものであるというような考えなのだが、ユダヤ人の少女との出会いにより、次第にその心境に変化が訪れていく。良いことも悪いことも、知ることによって徐々に変化していける子どもの感受性。それを優しく見守るスカーレット・ヨハンソン演じる母の姿もまた印象的だ。
ユダヤ人の母を持つタイカ・ワイティティ監督。そんな彼がヒトラーを演じているのもまた興味深い。昨日に続きサム・ロックウェルにはまたまた感動させられたし、主役のジョジョくんがとにかく可愛い!

前半は軽妙に描かれていき、どことなく入り込めなかった部分もあったのだが、後半にある事件が起きてからより映画の意図が鮮明となり尻上がり的に面白くなり、色々と考えさせられた。
ラストシーンも印象的で、心にじんわりと残るラストだった。

戦争のおかしさ、悲しさ、辛さ、すべてをライトなタッチでありながら包括して伝えることが出来ている映画だと思う。
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