櫻イミト

我輩はカモであるの櫻イミトのレビュー・感想・評価

我輩はカモである(1933年製作の映画)
3.5
トーキー時代の新たな笑いを切り開いたマルクス兄弟の代表作。興行的には内容が狂気すぎて大失敗だった。原題は「Duck Soup(すごく簡単)」。監督は後に「明日は来らず」(1937)「我が道を往く」(1944)を撮るレオ・マッケリー。4人兄弟が揃う最後の映画。

財政難にあえぐフリードニア共和国の首相に任命されたルーファス(グルーチョ・マルクス)は、適当な政策で国内に混乱を招く。隣国シルヴェニアはスパイのチコリーニ(チコ・マルクス)とピンキー(ハーポ・マルクス)の二人組を送り込み、ルーファス首相は二人を側近にする。混乱は拍車がかかり、ついに両国は開戦する。。。


初めてマルクス兄弟を鑑賞。90年前のアメリカで、既にこのようなナンセンスでアナーキーなギャグが流行っていた事に驚く。テリー・ギリアムらモンティ・パイソンは本作の延長線上にあるし、日本のクレージーキャッツやドリフターズの集団コント映画も影響を受けているのが良くわかる。

マルクス兄弟の作品はもう数本観てみたい。本作のノリについて、ヌーベル・ヴァーグ勢がどのように評価しているのかは宿題にしておく。
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