シネラー

屍人荘の殺人のシネラーのレビュー・感想・評価

屍人荘の殺人(2019年製作の映画)
3.0
原作小説は未読。
神木隆之介や浜辺美波といった
キャスト陣に惹かれての鑑賞。
第一印象としては、
予告が巧妙に作られていたという印象
を持たずにはいられない
驚きの本編だった。

隔離されたペンションで起きる
殺人事件というミステリーの王道に
奇っ怪なホラー要素が加えられる
本作だが、
その部分を鵜呑みにできるかで
本作の好みは別れると思った。
個人的には好きだ。
真犯人やトリック自体は容易に
予想できてしまったが、
その状況を活用した
トリックは上手いと思った。
又、神木隆之介が演じる葉村の
冴えないワトソン役は良かった。
浜辺美波が演じるもう一人の探偵役
である剣崎は、可愛いの一言だ。

只、本作は葉村というワトソンを
二人の探偵が取り合う物語でもある
のだが、その当事者である葉村自身
の成長が感じられず残念だった。
最後まで中村倫也の演じる明智に
依存的だった。
又、シリアスになり過ぎないように
軽い作風にしていると言われれば
それまでだが、
状況が絶望的になっていく
一方で誰一人として危機感なく
ペンション内で普通に過ごしている事
には苦笑いだ。
更に続編の為なのか、
物語の発端となる原因が
解明されないのも不満だった。

面白い映画ではあったが、
良かったか悪かったかと問われると
言葉を濁してしまう映画ではある。
真面目なミステリーを期待すると
思わぬ変化球を受ける事は
間違いないとだけ言っておこうと思う。
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