Moomin

行き止まりの世界に生まれてのMoominのレビュー・感想・評価

5.0
アメリカのロックフォードという街
身近の友人2人をカメラで追いかけ、いずれ監督までもが追われる 12年間の記録

ロックフォードに蔓延る社会問題
家庭内虐待
監督は自身の過去の経験 セルフも込めて友人を撮り始める

観客の想像が制作者の想像を越えていくとはこういうことだろう
非常にインテリジェンスにまとめられた構成のようにみえて、映像の表現から溢れる想像が止まらない
12年間という期間
監督が不確実ではあるが確かに掴みかけてるというカメラの成長 狙いどころが後半に連れはっきりとする

インタビューの言葉以上に
インサートの画がまず尽きない
ドキュメンタリーとは思わせないくらいの豊富な撮影素材
そして一貫して変わらないスケートボードの映画内での存在がまた素晴らしい

『一人(独り)は寂しいのよ』
『白人の仲間がいても、自分が黒人だということを忘れるな』
『俺みたいになってほしくない』
どれも考え抜かれたフィクションの名言かのような、アメリカの社会背景を表す言葉が心に残る
それも含めてカメラワークがすごい
これどうやって撮ったんだろう、どうやって入り込めたんだろう、ここまで付いていくのか…
羨むほどに素晴らしくて勉強になった
Moomin

Moomin