kapo

行き止まりの世界に生まれてのkapoのレビュー・感想・評価

4.5
後半から終わりにかけて
色んな感情でパンパンになって、
ポロポロ涙が溢れちゃって、
マスクがクタクタになった。

登場してる人たちへの愛情に溢れてた。
監督の優しさと知性が垣間見えて、
仲間たちの無邪気な笑顔とか、
絶妙な表情とか、真っ直ぐな瞳とか、
キュート過ぎた。
長年の信頼関係がないと出せない
カラーだなって。

現実が切ない分、
全部が愛おしかった。

カメラワーク、編集、音、キャラ構成とか、
社会問題、人種問題、
家族愛もしっかりあって、
ヘビーだけど軽やかで、
センスが素晴らしくて、
監督のファンになった。

監督が自身を解放する勇気と、
誰もが社会や自分に対して
考えられずにはいられない
クリエイティビティに、
尊敬の意を込めて、拍手をしたい。
------------------------------

社会の上にジェンガみたいに
積み上げられている私たちが、
絶妙なバランスを取りながら
懸命に倒れずにいる感覚。
その中で繋がっていく命。
どのパーツに配属されるかなんて
運なのに、
人生は自己責任で落とし込むしかない
歯がゆさ。
どうしようもない中でも
自分に向き合って積んでいく姿って、
心が痺れる。

ジェンダーの在り方や
男性優位マッチョ思考の
負の連鎖は、wavesにも描かれた通り。
農耕システムからの資本主義から
始まってるとは思うけど、
社会問題は一人一人の意識が
変えると思っているので、
誰かのせいにしないで
自分の在り方から、
その連鎖を私たち世代で
止めないといけない。
優しい世界である為にも。

そしてやっぱり母性愛って、
全ての底に横たわってるなって。

スケボーに乗っている彼らが、
いつも未来に向かって希望を乗せて
滑っている様で、ちょっと救われた。
この後の行く先も見守り隊。
------------------------------

※スケートキッチンからmid90s、
この映画と立て続けにスケボー映画を
観たけど、
なんでこんなにスケボーって
技とかファッション性とか別にして
こんなに魅力があるのだろうと
思ってたら、
前に人間の脳ってスピード感覚
が加わると活性化されるって
見た事があって、
集中と風を切る体感覚も
ゾーンに入りやすそうやし、
だからめちゃくちゃ気持ちイイんやわ、
と勝手に推測。

絶対無縁やと思ってたスケボー、
今更したくなってきたわ。
kapo

kapo