みどり

スウィング・キッズのみどりのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
4.5
2022/5/13

暴力はダメ
勝負するならダンスで

有名になって妻を探す
踊れるなら踊りたい 身体が悪くても
お金を稼ぐため

自分には大層な理由はないけれど
みんなは1番うまいと認めてくれる

朝鮮戦争下の捕虜収容所
国籍、言語の違うさまざまな人たち
イメージメイキングのためにと結成されるダンスチームだったけれどあの日見たジャクソンのタップダンスが頭から離れない。寝る時も作業中も気付けばダンスのことばかり。
トラブルメーカーでもあるギスの自国民に見せる顔と国のためにという気持ち。
それでもタップダンスに惹かれてしまう葛藤が苦しい
けれどどんな辛い状況でもその中にある楽しみは希望なんだってことも同時に伝わる
タップシューズをもらえたときのうれしそうな顔が忘れられないから

ジャクソンが言うように普通の生活ができたはずのメンバーがイデオロギーに翻弄され、正しさを貫けないでいる

それにしても本物のタップダンサーでもあるジャクソン役のジャレッドとも引け目を取らないD.O.のタップダンスはどれだけ練習を積んだのだろうと思う
劇中でギスがジャクソンに惹かれるようにタップダンスの虜になっていくのだけど私も次はどんなタップを見せてくれるのだろうとわくわくしながら見てしまった

それゆえにラストは覚悟していたけれどかなり辛い。
それでもメンバーを繋いでいたものは確かにあったし、苦しい話ながらも垣間見えるギスとギスの兄の兄弟愛、親子愛、そしてメンバー愛。さまざまなところに散りばめられた愛と絆が間違いなくあった
楽しい部分もありつつ、美化せず、しっかり重い現実と向き合わせるところ
日本で撮ったらこの終わり方はなさそうだからその先を描いていて好感しかない

Fuckin Ideology!
みどり

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