亘さん

スウィング・キッズの亘さんのネタバレレビュー・内容・結末

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

今回思いっきりネタバレしてるので未見の方はご注意ください。

デューク・エリントン、バディ・リッチ、ベニー・グッドマン等のビッグバンドジャズが大好きでアステアも大好きなので超楽しみにしてた本作、フタを開けたらとんでもない作品だった。
1950年代朝鮮戦争の最中、韓国最大の捕虜収容所にいる身分も国籍も性別も違う捕虜が自由を賭けてタップダンスをする!っていう着想は面白いのに、無駄にコメディタッチなのが許せない。しかも50~51年にかけての話なのに使っている音楽はデヴィッド・ボウイ「Modern Love」「ザ・ビートルズ」の「Free As A Bird」と80年代の楽曲を使ってるし、ダンスそのものもマイケル・ジャクソン風だったりして、どこまで真面目に作りたいのか、途中までイライラして早く終わらないかな~と思ってたら、最後の最後でエラい展開に。

この映画のハイライトであるダンスを披露するシーン、それぞれが上達して上手くダンスを踊るんだけど、実は主人公(北朝鮮捕虜)には収容所の所長(アメリカ人)を殺す指令があるが暗殺は失敗。命が助かった所長が激怒して捕虜全員の抹殺を命じる。ここでなんと主要キャスト全員が殺され、主人公も殺されたほうがマシという所で絶叫するところで終わる。

え・・・ダンスチームの仲間達、ダンスが終わったら家に帰って家族に会えたのに全員死んだ・・・はははは。しかも主人公は二度とダンスはできない。
あまりにも悲惨なラストは『ミッドサマー』を軽々と超えた。そういえばダンスバトルシーンもあるし、生きたまま人間を焼き殺すシーンもある。熊は出てこないけどやたら身体の大きい人間も出てくる。

この監督サニーの人らしいんだけど、音楽とダンスのセンスがまるでない。別な監督で真面目に作り直して欲しい。気持ちが冷め切った珍作でした。
亘さん

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